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 がばりっ
「OH!! やったぞ!」

 叫びながら勢いよく起き上がったのは金髪長身のイタリア人青年。普段は目蓋が半分下がり気味の垂れ目を大きく開き、淡いグリーンの瞳を喜びの色に輝かせてたその人物は、寝間着を着替えるのもそこそこに、部屋を飛び出していった。
 己の体験の興奮と喜びを早く誰かに伝えたかったのだ。




「どうしたの?! スパナ!」
 青年がドタバタと廊下を走っていると、少年が一人声をかけてきた。
 日本人にしては色素の薄い茶色い髪のツンツン頭に、飴色のドングリ型の大きな瞳。その目を更に大きくさせて何かあったのかと驚いている。
「ああ! ボンゴレ! きいてくれ、すごいんだ!!」
 声をかけてきた相手――ボンゴレこと沢田綱吉――にスパナはちょうどよいと駆け寄ると正面からその狭い両肩をがしりと掴んで言い募る。
 興奮のままにゆさゆさと揺すられて、綱吉の頭は首から上が取れてしまうのではないかというほどガクガクと前後に振れた。
「ちょ! スパッ、 止め…っ?!」
「素晴らしい! ほんとに体験出来るだなんて!」
「…や、 だ…からっ ちょ、と…まっ…!」
 興奮しているスパナは綱吉の制止の声に気付くことなく、口も、少年の肩を揺らす手の動きも止まらない。
 瞳を小さな子どものようにキラキラ輝かせて、言葉を続ける。


「ウチ、初夢にFUJIYAMA見たんだ!」


「………はあ?!」
 揺すられまくってぐちゃぐちゃの脳みそでそれでも何事かとスパナの話をなんとか聞いていた綱吉は、しかし予想外の内容に胡乱な叫びを返すのだった。

 ―――TAKAもNASUBIも出てきたんだ! 完璧だろう?
 揺すり続けていた肩からは腕を外し、今度は遠くの何かを見つめるように斜め上の天井を見上げて握り拳を震わせ嬉しそうに語り続ける。綱吉のあきれたような視線に気付いていないのかあるいは気にならないのか、その喜びようはⅩBURNERについて語っていた時と同じようだ。
 つまるところ、日本の正月初夢の縁起物『一富士、二鷹、三茄子』を見たと喜んでいるらしいスパナ。日本文化オタクである彼には、実体験できたことが余程嬉しかったらしい。
 新年早々、朝早くからパジャマとナイトキャップ姿で騒いでいるスパナに何事かと心配していた綱吉にしてみれば、何事もなくて良かったと思うべきか人騒がせなと怒るべきか。遠い目をしてとりあえず「よかったね」と答えた綱吉の隣で、スパナはひとり正月のうんちくを語り始めた。
(……初夢、かぁ。)
 スパナのうんちくを半分以上聞き流しながら時折適当に相づちをうってやる綱吉、その彼の初夢もまた、スパナの初夢も同じように山も鳥も食べ物もでできたある意味では『一富士』のそれではあった。
ただし綱吉の場合は………


一噴火山、二雲雀、三パイナポ


であったが。
縁起良いとはあまりにも思えないその品揃えに今年も先行き不安な綱吉だった。


暗殺部隊のボスの顔をした山から憤怒の炎が噴火し、かとおもえば鳥じゃないほうの雲雀が空から降ってきて某口癖とともにトンファーをくらい、暗転した先で特徴的な笑い声とともに青い南国果実に暗闇のなか追いかけられる夢をみて目が覚めた綱吉の元旦(笑)

今年もよろしくお願いします!

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