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「と、いうわけで綱吉くんの学校の件は日本ってことでよろしく家光!」
何が“と、いうわけ”なのかさっぱりわからないものの家光は「はぁ…そうですか」と返事を返した。
語尾に☆がつきそうな勢いの九代目に、普段のキャラどこに落としてきちゃったんですかとか考えたのだけれど、ここは余計なことは言わない方が懸命だろうと感じて――超直感は目覚めなかった筈なのだが…これまで幾つもの危険を乗り越えてきた経験が何かを自分に訴えかけているのだ――日本人の得意とする曖昧な返答でごまかす家光だった。
それに先程小耳に挟んだ話では、九代目とXANXUSの間で一騒動あったらしい。…ちなみに、家光自身も九代目の寝室から食堂へと続く位置にある廊下の辺りが煤けていたのを目撃している。
ニコニコ笑っている九代目と目を合わせたくなくてさまよった視線が最終的に向いた先は父親とやりあったらしい少年の自室のある方向だった。
XANXUSは、急に明日からヴァリアーに仮入隊することになって準備に忙しく(準備をするのはXANXUS本人ではなく世話役の者達であるが)それを理由に(何故か綱吉限定で)面会謝絶だった。
いろいろおかしいこの状況下で、更に綱吉の進学先の話が出てくるというのだから…もしかしなくとも綱吉が関係しているのだろうか。
(はぁ~、九代目ってばツっ君のことになると大人げないからなぁ~…きっとしょーもないことでXANXUSと喧嘩になったんだろうなぁ)
内心でのみうんうんと自分自身の出した予想に頷く家光は、己も妻似のひとり息子を目に入れても痛くないほどに溺愛していることを棚に上げていた。
しかしその予想は当たっている。
綱吉の語学力に悪影響だから――それだけの理由でXANXUSを外に遣り涙を飲んで綱吉の進学先を日本に決めた九代目だ。
(…とてもじゃないがファミリーの誰にも真実は教えられねーな…)
読心術によりすべてを知っている黒衣のヒットマンは、ボンゴレⅨ世の名誉と自分達のボスを尊敬するファミリーの理想を守る為に真実を秘すると誓うのだった。
どんどん九代目がひどいことになっていく…でも、こんなノーノが大好きです!
NEXT→歴然たる事実と
titleThanks[as far as I know]
何が“と、いうわけ”なのかさっぱりわからないものの家光は「はぁ…そうですか」と返事を返した。
語尾に☆がつきそうな勢いの九代目に、普段のキャラどこに落としてきちゃったんですかとか考えたのだけれど、ここは余計なことは言わない方が懸命だろうと感じて――超直感は目覚めなかった筈なのだが…これまで幾つもの危険を乗り越えてきた経験が何かを自分に訴えかけているのだ――日本人の得意とする曖昧な返答でごまかす家光だった。
それに先程小耳に挟んだ話では、九代目とXANXUSの間で一騒動あったらしい。…ちなみに、家光自身も九代目の寝室から食堂へと続く位置にある廊下の辺りが煤けていたのを目撃している。
ニコニコ笑っている九代目と目を合わせたくなくてさまよった視線が最終的に向いた先は父親とやりあったらしい少年の自室のある方向だった。
XANXUSは、急に明日からヴァリアーに仮入隊することになって準備に忙しく(準備をするのはXANXUS本人ではなく世話役の者達であるが)それを理由に(何故か綱吉限定で)面会謝絶だった。
いろいろおかしいこの状況下で、更に綱吉の進学先の話が出てくるというのだから…もしかしなくとも綱吉が関係しているのだろうか。
(はぁ~、九代目ってばツっ君のことになると大人げないからなぁ~…きっとしょーもないことでXANXUSと喧嘩になったんだろうなぁ)
内心でのみうんうんと自分自身の出した予想に頷く家光は、己も妻似のひとり息子を目に入れても痛くないほどに溺愛していることを棚に上げていた。
しかしその予想は当たっている。
綱吉の語学力に悪影響だから――それだけの理由でXANXUSを外に遣り涙を飲んで綱吉の進学先を日本に決めた九代目だ。
(…とてもじゃないがファミリーの誰にも真実は教えられねーな…)
読心術によりすべてを知っている黒衣のヒットマンは、ボンゴレⅨ世の名誉と自分達のボスを尊敬するファミリーの理想を守る為に真実を秘すると誓うのだった。
その誓いの届く先。はたしてそれは、胸の中にか空の上にか。
(別にどこに届こうと、その内容は馬鹿らしいことこの上ないけれど。)
(別にどこに届こうと、その内容は馬鹿らしいことこの上ないけれど。)
どんどん九代目がひどいことになっていく…でも、こんなノーノが大好きです!
NEXT→歴然たる事実と
titleThanks[as far as I know]
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ショックのあまりフリーズしていた九代目だったが、直ぐに正気にかえった。
綱吉があんな言葉を覚えてしまった原因なんて1人しか思いつかない。くる~り、と息子へと顔を向ける。
「――――…XANXUS」
静かな声音でその名を呼べば、赤い瞳を斜に構えて九代目を見返して「あぁ?」と返事を寄越してくる。
「少し話があるんだが、いいかね。」
「――はぁ?」
掛けられた言葉に少年は元々寄っている眉間のシワをさらに深くして眉をキリリとつり上げる。
…何も知らない者からみれば、彼のこの対応は話を聞く気がない喧嘩腰の柄の悪い返事としか思えないだろうが――実は本人的には『話ってなぁに?』と小首を傾げて訊くようなニュアンスの科白だったりする(とてもそうは見えないけれど)。
少年の言動を正しく読み取ることが出来る者は彼に親しい者でもそう多くないが、その数少ない内の1人である九代目は今回もその意味を正しく読み取って、無言で頷いた。
そして今度はその場で屈み綱吉と視線を合わせると、優しい笑顔で話しかける。
「――と、いうわけで綱吉くん。私とXANXUSは大事なお話があるから、先に行っていてくれるかね?」
「? うん、いーよ!」
「奈々さんも待っているだろうから私たち来なくても先に朝食にしてくださいね?」
「は~い!」
九代目の言葉に、綱吉はよいこのお返事を返す。
朝食はなるべく席をともにするようにしている彼らだが、仕事柄突発的に予定が入ることもよくあることなので、綱吉は一緒に食事はできないと言われてもあまり気にならない。
むしろ子供の健康的なお腹は元気に空腹を訴えていたのでその気持ちは簡単に今朝の朝食のメニューへと傾いているようで、「またこんどいっしょにたべよーね!」そう言うと綱吉は九代目達の様子を気にする素振りは一切見せずにパタパタと廊下の先へ駆け足で去っていった。
その小さな後ろ姿を見送って、九代目は改めてXANXUSに向き直る。
そして一言、告げた。
「でていきなさい。」
別に追い出すわけじゃありません。一応社会勉強という名目は用意してあります。
でも本音はつなよしくんに悪影響だからだよ!(マフィアがそれをいうか)
NEXT→胸の中にか空の上にか
titleThanks[as far as I know]
綱吉があんな言葉を覚えてしまった原因なんて1人しか思いつかない。くる~り、と息子へと顔を向ける。
「――――…XANXUS」
静かな声音でその名を呼べば、赤い瞳を斜に構えて九代目を見返して「あぁ?」と返事を寄越してくる。
「少し話があるんだが、いいかね。」
「――はぁ?」
掛けられた言葉に少年は元々寄っている眉間のシワをさらに深くして眉をキリリとつり上げる。
…何も知らない者からみれば、彼のこの対応は話を聞く気がない喧嘩腰の柄の悪い返事としか思えないだろうが――実は本人的には『話ってなぁに?』と小首を傾げて訊くようなニュアンスの科白だったりする(とてもそうは見えないけれど)。
少年の言動を正しく読み取ることが出来る者は彼に親しい者でもそう多くないが、その数少ない内の1人である九代目は今回もその意味を正しく読み取って、無言で頷いた。
そして今度はその場で屈み綱吉と視線を合わせると、優しい笑顔で話しかける。
「――と、いうわけで綱吉くん。私とXANXUSは大事なお話があるから、先に行っていてくれるかね?」
「? うん、いーよ!」
「奈々さんも待っているだろうから私たち来なくても先に朝食にしてくださいね?」
「は~い!」
九代目の言葉に、綱吉はよいこのお返事を返す。
朝食はなるべく席をともにするようにしている彼らだが、仕事柄突発的に予定が入ることもよくあることなので、綱吉は一緒に食事はできないと言われてもあまり気にならない。
むしろ子供の健康的なお腹は元気に空腹を訴えていたのでその気持ちは簡単に今朝の朝食のメニューへと傾いているようで、「またこんどいっしょにたべよーね!」そう言うと綱吉は九代目達の様子を気にする素振りは一切見せずにパタパタと廊下の先へ駆け足で去っていった。
その小さな後ろ姿を見送って、九代目は改めてXANXUSに向き直る。
そして一言、告げた。
「でていきなさい。」
問答無用で捻じ伏せる。
(横暴?いえいえ、ここのルールは私です。)
(横暴?いえいえ、ここのルールは私です。)
別に追い出すわけじゃありません。一応社会勉強という名目は用意してあります。
でも本音はつなよしくんに悪影響だからだよ!(マフィアがそれをいうか)
NEXT→胸の中にか空の上にか
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それは会話というにはあまりにも稚拙なものだったが、可愛らしいとしか表現しようがないその様子に九代目は本来の目的(綱吉くんをイタリア語ペラペラにしてイタリアの小学校に通わせよう計画)をすっかり忘れて、かーわいーなぁ綱吉くん♪と愛でて(むしろ悦に入って)いる。
しかしそんな、これが組織のトップで大丈夫か?!と疑問視されかねない老人の常春状態だった心象風景は、次の瞬間、真冬へと塗り替えられてしまう。
彼の耳を通り抜けたその言葉には、それほどの威力があったのだ。
…………………………………。
聞き間違いだろうか。そうだと思いたい。そうであってほしい。いや、そうでなければならない!うんうんっ、聞き間違いだよ!?
全力で否定しようとする内心の片隅で、しかし、どんな非常事態にも冷静な判断下せるようにとマフィアのドンとして長年に渡り鍛え上げてきた百戦錬磨の優秀な脳が、冷徹にもこれは現実だと告げてくる。
(そ、そんな馬鹿な…?!)
――――綱吉くんがカスって言った!?(大打撃)
誰の影響かなんて、考えるまでもない(笑)
そして親子喧嘩カウントダウン。
…しかし九代目が変態くさ、(謝)
NEXT→捻じ伏せる
titleThanks[as far as I know]
しかしそんな、これが組織のトップで大丈夫か?!と疑問視されかねない老人の常春状態だった心象風景は、次の瞬間、真冬へと塗り替えられてしまう。
彼の耳を通り抜けたその言葉には、それほどの威力があったのだ。
そう、それはまるで、二月の風のような
(冷え冷えと心までをも凍らせる、衝撃)
(冷え冷えと心までをも凍らせる、衝撃)
…………………………………。
聞き間違いだろうか。そうだと思いたい。そうであってほしい。いや、そうでなければならない!うんうんっ、聞き間違いだよ!?
全力で否定しようとする内心の片隅で、しかし、どんな非常事態にも冷静な判断下せるようにとマフィアのドンとして長年に渡り鍛え上げてきた百戦錬磨の優秀な脳が、冷徹にもこれは現実だと告げてくる。
(そ、そんな馬鹿な…?!)
――――綱吉くんがカスって言った!?(大打撃)
誰の影響かなんて、考えるまでもない(笑)
そして親子喧嘩カウントダウン。
NEXT→捻じ伏せる
titleThanks[as far as I know]
結局その時は、しばらくは綱吉本人の様子をみてから考えようと、結論は保留ということになった。
彼がイタリア語を日常会話に支障なく話せるようになりさえすれば、あるいは本人が此所に残りたいと言えば日本へ帰国するということもなくなるかもしれない。
なのでこっそり本人に確認してみることにする。
「――ねぇ、綱吉くん?」
「なぁに?」
「ここの生活は好きかな?」
「うん!…でも、のーの、なんでそんなこときくの?」
戸惑いもなく頷いたことに安堵し、しかし次いで理由を訊ねられて(…正直に話して日本に行きたいと言われても困るし…)と考えた九代目は綱吉の質問には答えずに話題を変えようと試みる。
「ん~そうだねぇ…ところで綱吉くんはイタリア語でおはなしは上手にできますか?」
――――せっかくイタリアにいるのだからそろそろイタリア語を勉強してみないか?
そう誘えば、おおきな瞳を一度くるりとさせた綱吉は、直後ぴょこんと跳ねるように手を上げて、はーいっ!と言った。
「つっくん、イタリアご、はなせるよ!」
瞳を輝かせて宣言すると、――――あったときとバイバイするときはCiaoでー、おはようはBuona mattina、おやすみがBuona notte!ありがとうはGrazie!――――指折り数えながらイタリア語の挨拶を口にして、九代目に小さな胸を張ってみせる。
この屋敷のものは皆、綱吉の前では基本的に日本語を話すとはいえども、やはりそれ以外で使っている日常語はイタリア語である。おそらく互いの挨拶などはイタリア語でし合っていたのだろう、そして綱吉はその会話を耳にするうちに自然と覚えてたのだろう。
彼がイタリア語を日常会話に支障なく話せるようになりさえすれば、あるいは本人が此所に残りたいと言えば日本へ帰国するということもなくなるかもしれない。
なのでこっそり本人に確認してみることにする。
「――ねぇ、綱吉くん?」
「なぁに?」
「ここの生活は好きかな?」
「うん!…でも、のーの、なんでそんなこときくの?」
戸惑いもなく頷いたことに安堵し、しかし次いで理由を訊ねられて(…正直に話して日本に行きたいと言われても困るし…)と考えた九代目は綱吉の質問には答えずに話題を変えようと試みる。
「ん~そうだねぇ…ところで綱吉くんはイタリア語でおはなしは上手にできますか?」
――――せっかくイタリアにいるのだからそろそろイタリア語を勉強してみないか?
そう誘えば、おおきな瞳を一度くるりとさせた綱吉は、直後ぴょこんと跳ねるように手を上げて、はーいっ!と言った。
「つっくん、イタリアご、はなせるよ!」
瞳を輝かせて宣言すると、――――あったときとバイバイするときはCiaoでー、おはようはBuona mattina、おやすみがBuona notte!ありがとうはGrazie!――――指折り数えながらイタリア語の挨拶を口にして、九代目に小さな胸を張ってみせる。
この屋敷のものは皆、綱吉の前では基本的に日本語を話すとはいえども、やはりそれ以外で使っている日常語はイタリア語である。おそらく互いの挨拶などはイタリア語でし合っていたのだろう、そして綱吉はその会話を耳にするうちに自然と覚えてたのだろう。
息子の自分に向けられる白い目(+ほんのり嫉妬)にしっかりと気が付いていた九代目であったが、そんなものはなんのその痛くも痒くもないとばかりに可愛い可愛い孫がわりを愛でるのを止める気など毛頭なかった。
しかし、
(…やっぱりわがままなのかねぇ)
下方に揺れる茶色を見つめながら、九代目は先日に子どもの親達から受けた相談を思い出していた。
*****
「――学校?」
おうむ返しに呟けば、眼前の人物は常春の笑顔で頷いた。
「えぇ!ツっ君ももうすぐ6歳でしょう?
そろそろ小学校のことを考えてあげないといけないかしらって…」
「この付近にある小学校はイタリア人しか通ってませんし、あのこはまだイタリア語を話せませんからね」
奈々に続いて家光も苦笑する。
もし日系学校に通わせるとなるとここから通うには少し距離が有りすぎる。遠方だからといってボンゴレの力が及ばないわけではない(たとえイタリア国外であろうともボンゴレの力は衰えはしないのでその意味では距離はあまり関係ないのだ)が、そもそも綱吉をボンゴレの名で外に出す積もりはない。まだいまのところは。
そのように話しているうちに、件の日系学校に通う為に引っ越すというならばいっそのこと日本に帰国して日本の学校に通えば良いのではないか、という流れになった。主に提案者である奈々がとても乗り気で。
*****
そんな彼女の様子に、九代目は思うのだ。
――――やはり彼女は故郷が恋しいのだろうか。
沢田家がイタリア・ボンゴレ九代目の私邸にて暮らしはじめること早数年。母子の邸内における自由と安全は完璧なまでに保証されていたが、そのぶんあまり外出はできない生活を送ってきた。
屋敷における母子との会話は全面的に日本語であり、食事は日本料理だってあるし(寧ろ料理が趣味である奈々が自由に使えるよう彼女専用キッチンがあるので奈々自身が和洋中に拘らず自慢の腕を奮ってくれる)、私邸の敷地内には立派な庭や森といった自然も溢れているので室内にばかり籠ってしまうという心配も無いが、それでもやはり異国の地。それも多少軟禁染みた部分の否めないこの生活よりも慣れ親しんだ母国のほうが好ましいのではないか。
愛しい我が子を育てるならば、やはり生まれた国が良いと思っているのかもしれない。
そう思案する。
もともと彼らがこの屋敷に暮らしているのは、沢田母子の安全のためだった。綱吉の顔見せの挨拶に沢田一家が九代目のもとを訪ねていたその間に、タイミング悪くボンゴレと敵対勢力との抗争が勃発し、その間の母子の護衛も兼ねて九代目が沢田一家を私邸に留まらせた。しかしその後抗争が落ち着いても、なんとなく屋敷に溶け込んでしまった奈々と綱吉の存在に、そのまま共同生活は継続され、現在に至っているわけである。
正直最近では九代目は内心(このまま綱吉君がうちの子になってくれれば良いのになぁ)などと思っていたりする。思っていたりはするのだが、しかし、本人達の意思を尊重しないわけにもいかない。
ものっすごく久々、連載の続きです。
うっかり話の流れを忘れかけてる←
えーとこれから、そうそう!親子喧嘩までいかなくては…寧ろ本編開始はいつになることやら;
NEXT→二月の風のような
titleThanks[as far as I know]
しかし、
(…やっぱりわがままなのかねぇ)
下方に揺れる茶色を見つめながら、九代目は先日に子どもの親達から受けた相談を思い出していた。
*****
「――学校?」
おうむ返しに呟けば、眼前の人物は常春の笑顔で頷いた。
「えぇ!ツっ君ももうすぐ6歳でしょう?
そろそろ小学校のことを考えてあげないといけないかしらって…」
「この付近にある小学校はイタリア人しか通ってませんし、あのこはまだイタリア語を話せませんからね」
奈々に続いて家光も苦笑する。
もし日系学校に通わせるとなるとここから通うには少し距離が有りすぎる。遠方だからといってボンゴレの力が及ばないわけではない(たとえイタリア国外であろうともボンゴレの力は衰えはしないのでその意味では距離はあまり関係ないのだ)が、そもそも綱吉をボンゴレの名で外に出す積もりはない。まだいまのところは。
そのように話しているうちに、件の日系学校に通う為に引っ越すというならばいっそのこと日本に帰国して日本の学校に通えば良いのではないか、という流れになった。主に提案者である奈々がとても乗り気で。
*****
そんな彼女の様子に、九代目は思うのだ。
――――やはり彼女は故郷が恋しいのだろうか。
沢田家がイタリア・ボンゴレ九代目の私邸にて暮らしはじめること早数年。母子の邸内における自由と安全は完璧なまでに保証されていたが、そのぶんあまり外出はできない生活を送ってきた。
屋敷における母子との会話は全面的に日本語であり、食事は日本料理だってあるし(寧ろ料理が趣味である奈々が自由に使えるよう彼女専用キッチンがあるので奈々自身が和洋中に拘らず自慢の腕を奮ってくれる)、私邸の敷地内には立派な庭や森といった自然も溢れているので室内にばかり籠ってしまうという心配も無いが、それでもやはり異国の地。それも多少軟禁染みた部分の否めないこの生活よりも慣れ親しんだ母国のほうが好ましいのではないか。
愛しい我が子を育てるならば、やはり生まれた国が良いと思っているのかもしれない。
そう思案する。
もともと彼らがこの屋敷に暮らしているのは、沢田母子の安全のためだった。綱吉の顔見せの挨拶に沢田一家が九代目のもとを訪ねていたその間に、タイミング悪くボンゴレと敵対勢力との抗争が勃発し、その間の母子の護衛も兼ねて九代目が沢田一家を私邸に留まらせた。しかしその後抗争が落ち着いても、なんとなく屋敷に溶け込んでしまった奈々と綱吉の存在に、そのまま共同生活は継続され、現在に至っているわけである。
正直最近では九代目は内心(このまま綱吉君がうちの子になってくれれば良いのになぁ)などと思っていたりする。思っていたりはするのだが、しかし、本人達の意思を尊重しないわけにもいかない。
…あぁ、でもやっぱり、私はまだここにいてほしい
(君の笑顔に逢えなくなるなんて、想像だけでなんと色褪せた日々か!)
(君の笑顔に逢えなくなるなんて、想像だけでなんと色褪せた日々か!)
ものっすごく久々、連載の続きです。
うっかり話の流れを忘れかけてる←
えーとこれから、そうそう!親子喧嘩までいかなくては…寧ろ本編開始はいつになることやら;
NEXT→二月の風のような
titleThanks[as far as I know]
身支度を終え、仲良く手を繋ぎながら共に食堂へ向かう。長い廊下を進む道中、昨日はあれがおもしろかった、今日は誰それと遊ぶ約束をしているから楽しみだ…等々、懸命に語る幼子の話に相好を崩した笑みで傾聴する老紳士の姿は孫を溺愛する祖父そのもの。
好好爺とした外見と子供の頭を撫でるその姿からは、とても彼こそがゴッド・ファーザーを冠するイタリアンマフィアの首領[ドン]だなどとは想像つかないだろう。
――――ていうか威厳もへったくれもねぇっっ!!
とは、直ぐ横でその一部始終を見ていた人物の心の叫び。
デレッデレに弛みきった表情に、寧ろそのアホ面をおもいっきり撲りたい。そう思いつつも、実際には黙って綱吉の隣で歩を進めるその人は名をXANXUS――話中の老人、ゴッド・ファーザーことボンゴレ九代目の息子である。
XANXUSは温厚的な父とは異なり、気に入らないことには一切我慢をせず直ぐ様手が出る激情型として有名だった。その彼の拳が唸らないとは大変珍しいが、XANXUSも流石に父親でありボスである九代目には不敬はできないのだろう――という訳ではなく。
真相は単に今更過ぎて言う気も失せていただけ。(なんと言っても九代目が“こう”なるのは毎朝のことなので。)
それに何より、にこにこと笑顔の花を咲かせている子どもが暴力を嫌う。ここで暴れて綱吉に泣かれてしまうなんて絶対に御免だ!
…結局のところ彼もまた綱吉に大層甘い一人なのだった。
全然目標まで達成してませんが、お待たせしているのでできてる所までアップ。
超! み じ か い !! ○| ̄|_
とりあえずご要望通りXANXUSさん出せました、ユキさま!
好好爺とした外見と子供の頭を撫でるその姿からは、とても彼こそがゴッド・ファーザーを冠するイタリアンマフィアの首領[ドン]だなどとは想像つかないだろう。
――――ていうか威厳もへったくれもねぇっっ!!
とは、直ぐ横でその一部始終を見ていた人物の心の叫び。
デレッデレに弛みきった表情に、寧ろそのアホ面をおもいっきり撲りたい。そう思いつつも、実際には黙って綱吉の隣で歩を進めるその人は名をXANXUS――話中の老人、ゴッド・ファーザーことボンゴレ九代目の息子である。
XANXUSは温厚的な父とは異なり、気に入らないことには一切我慢をせず直ぐ様手が出る激情型として有名だった。その彼の拳が唸らないとは大変珍しいが、XANXUSも流石に父親でありボスである九代目には不敬はできないのだろう――という訳ではなく。
真相は単に今更過ぎて言う気も失せていただけ。(なんと言っても九代目が“こう”なるのは毎朝のことなので。)
それに何より、にこにこと笑顔の花を咲かせている子どもが暴力を嫌う。ここで暴れて綱吉に泣かれてしまうなんて絶対に御免だ!
…結局のところ彼もまた綱吉に大層甘い一人なのだった。
全然目標まで達成してませんが、お待たせしているのでできてる所までアップ。
超! み じ か い !! ○| ̄|_
とりあえずご要望通りXANXUSさん出せました、ユキさま!
以前にリクエストのあった、家光さんカミングアウト前提パラレルのゆりかご事件に関するやつです。
連載予定。とりあえずまだ序盤。
綱吉5歳くらい。九代目視点。
『永久に眠れ』:titleThanks[as far as I know]
チチチ、ピピッ、
「…ぉの、あさですよーぉ!」
小鳥のさえずりと共に耳許をくすぐる、鈴を転がしたような高く愛らしい声。ゆさゆさと懸命に揺する、肩に置かれたちいさく柔らかなてのひら。
その感触に、微睡みの中から抜け出してゆっくりと目蓋を持ち上げれば開けた視界に一番に映るのは、朝日に透けてきらきら輝く甘やかな色の髪。飴細工のような透明感ある焦茶のクリッとした大きな瞳と目があうと、相手は顔の筋肉を精一杯に使って笑みをつくり、
「あ!おはよーございますっ、のーの!」
「――はい、お早うございます。」
ふっくり柔らかそうな唇から発せられる丁寧な挨拶に、此方も同じく丁寧に返す。
そんな、毎朝恒例のやりとり。
この時間こそ、しわまみれ骨ばかりの老体に鞭打ち多忙な日々を送る自身とってのかけがえのない活力源であり、一日の内で最上級の幸福な時間であると内心ひとりで至福を噛みしめる。
「今日も『お務め』ご苦労様です、綱吉くん。」
そう言って頭を撫でれば愛しの幼子は、誇らしげに、けれどもほんのりと照れくさそうにして「えへへ!!」と笑う。
自分もみんなの役に立ちたいのだと、なんとも可愛らしくもいじらしいおねだりを受けて彼に『お仕事』を任せるようになってから早数ヶ月。
初めてあった時はまだハイハイも出来ないくらい小さな赤ん坊だった子どもは、今では自由に走り回れる程に成長し、それどころか既に自立の第一歩も踏み出し始めている。
子どもの成長とは総じて速いものだとわかっているけれど――あぁ本当に。しみじみ思うよ、
時が過ぎるのは早いねと
(もう君がイタリアに来て何年目だろう。すっかり君の笑い声が当たり前になった)
NEXT→私はまだここに
連載予定。とりあえずまだ序盤。
綱吉5歳くらい。九代目視点。
『永久に眠れ』:titleThanks[as far as I know]
チチチ、ピピッ、
「…ぉの、あさですよーぉ!」
小鳥のさえずりと共に耳許をくすぐる、鈴を転がしたような高く愛らしい声。ゆさゆさと懸命に揺する、肩に置かれたちいさく柔らかなてのひら。
その感触に、微睡みの中から抜け出してゆっくりと目蓋を持ち上げれば開けた視界に一番に映るのは、朝日に透けてきらきら輝く甘やかな色の髪。飴細工のような透明感ある焦茶のクリッとした大きな瞳と目があうと、相手は顔の筋肉を精一杯に使って笑みをつくり、
「あ!おはよーございますっ、のーの!」
「――はい、お早うございます。」
ふっくり柔らかそうな唇から発せられる丁寧な挨拶に、此方も同じく丁寧に返す。
そんな、毎朝恒例のやりとり。
この時間こそ、しわまみれ骨ばかりの老体に鞭打ち多忙な日々を送る自身とってのかけがえのない活力源であり、一日の内で最上級の幸福な時間であると内心ひとりで至福を噛みしめる。
「今日も『お務め』ご苦労様です、綱吉くん。」
そう言って頭を撫でれば愛しの幼子は、誇らしげに、けれどもほんのりと照れくさそうにして「えへへ!!」と笑う。
自分もみんなの役に立ちたいのだと、なんとも可愛らしくもいじらしいおねだりを受けて彼に『お仕事』を任せるようになってから早数ヶ月。
初めてあった時はまだハイハイも出来ないくらい小さな赤ん坊だった子どもは、今では自由に走り回れる程に成長し、それどころか既に自立の第一歩も踏み出し始めている。
子どもの成長とは総じて速いものだとわかっているけれど――あぁ本当に。しみじみ思うよ、
時が過ぎるのは早いねと
(もう君がイタリアに来て何年目だろう。すっかり君の笑い声が当たり前になった)
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