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息子の自分に向けられる白い目(+ほんのり嫉妬)にしっかりと気が付いていた九代目であったが、そんなものはなんのその痛くも痒くもないとばかりに可愛い可愛い孫がわりを愛でるのを止める気など毛頭なかった。
しかし、

(…やっぱりわがままなのかねぇ)

下方に揺れる茶色を見つめながら、九代目は先日に子どもの親達から受けた相談を思い出していた。

  *****

「――学校?」

おうむ返しに呟けば、眼前の人物は常春の笑顔で頷いた。

「えぇ!ツっ君ももうすぐ6歳でしょう?
 そろそろ小学校のことを考えてあげないといけないかしらって…」
「この付近にある小学校はイタリア人しか通ってませんし、あのこはまだイタリア語を話せませんからね」

奈々に続いて家光も苦笑する。
もし日系学校に通わせるとなるとここから通うには少し距離が有りすぎる。遠方だからといってボンゴレの力が及ばないわけではない(たとえイタリア国外であろうともボンゴレの力は衰えはしないのでその意味では距離はあまり関係ないのだ)が、そもそも綱吉をボンゴレの名で外に出す積もりはない。まだいまのところは。
そのように話しているうちに、件の日系学校に通う為に引っ越すというならばいっそのこと日本に帰国して日本の学校に通えば良いのではないか、という流れになった。主に提案者である奈々がとても乗り気で。

  *****

そんな彼女の様子に、九代目は思うのだ。

――――やはり彼女は故郷が恋しいのだろうか。

沢田家がイタリア・ボンゴレ九代目の私邸にて暮らしはじめること早数年。母子の邸内における自由と安全は完璧なまでに保証されていたが、そのぶんあまり外出はできない生活を送ってきた。
屋敷における母子との会話は全面的に日本語であり、食事は日本料理だってあるし(寧ろ料理が趣味である奈々が自由に使えるよう彼女専用キッチンがあるので奈々自身が和洋中に拘らず自慢の腕を奮ってくれる)、私邸の敷地内には立派な庭や森といった自然も溢れているので室内にばかり籠ってしまうという心配も無いが、それでもやはり異国の地。それも多少軟禁染みた部分の否めないこの生活よりも慣れ親しんだ母国のほうが好ましいのではないか。
愛しい我が子を育てるならば、やはり生まれた国が良いと思っているのかもしれない。
そう思案する。

もともと彼らがこの屋敷に暮らしているのは、沢田母子の安全のためだった。綱吉の顔見せの挨拶に沢田一家が九代目のもとを訪ねていたその間に、タイミング悪くボンゴレと敵対勢力との抗争が勃発し、その間の母子の護衛も兼ねて九代目が沢田一家を私邸に留まらせた。しかしその後抗争が落ち着いても、なんとなく屋敷に溶け込んでしまった奈々と綱吉の存在に、そのまま共同生活は継続され、現在に至っているわけである。
正直最近では九代目は内心(このまま綱吉君がうちの子になってくれれば良いのになぁ)などと思っていたりする。思っていたりはするのだが、しかし、本人達の意思を尊重しないわけにもいかない。

…あぁ、でもやっぱり、私はまだここにいてほしい
(君の笑顔に逢えなくなるなんて、想像だけでなんと色褪せた日々か!)



ものっすごく久々、連載の続きです。
うっかり話の流れを忘れかけてる←
えーとこれから、そうそう!親子喧嘩までいかなくては…寧ろ本編開始はいつになることやら;


NEXT→二月の風のような
titleThanks[as far as I know]



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